130万の壁

自力進学を目指す苦学生達が本当に気をつけなければいけないのは、103万の壁よりもむしろ130万の壁です。130万円を超えてしまうと、103万の壁を越えた時から発生する税金+健康保険料を自分で支払う必要があります。

私は1回生の時に何も考えずに103万の壁を突破して親に怒られて懲りて、翌年以降に何も対策をせずに103万&130万の壁を超える事はありませんでしたが、何も考えずに130万の壁を突破してしまった場合にどうなるのかを解説します。

130万の壁の定義

103万の壁が「税金」の問題であった事に対して、130万の壁は「保険」の問題です。収入が130万円以上になると、親の社会保険の扶養からはずれることになります。扶養から外れると自力で健康保険に加入して保険代を払う事になります。つまり、今まで親の保険証を借りて行っていた歯医者さんにも自分で用意した保険証で通院する羽目になります。

130万の壁を突破してしまった場合に必要な手続き

130万を超えてしまった場合は下記の2パターンの保険に加入する必要があります。

バイト先の社会保険(健康保険&厚生年金保険)に加入

バイト先が規模が大きい会社であれば、バイトでも社会保険に加入させてくれます。規模が大きいの定義としては、「1週間の所定労働時間と1ヶ月の所定労働日数が雇用契約書と就業規則に明記されており、その両方が正社員の4分の3以上を満たす」という事になります。大体月120時間くらい働いているとバイト先から「社会保険入る?」って聞かれますが、バイト先の店長とかに直接聞いてみる方が手っ取り早いです。

バイト先で社会保険に加入すると、健康保険料&厚生年金保険料の2つがセットで給料から天引きされます。計算方法は住んでる地域と年度で変わりますが、大体収入の14%くらいが引かれます。130万の場合だと18万引かれますので、実質112万しか手元に入ってこない事になりますので、働き損になります。

150万の場合だと21万引かれて、129万手元に残ります。つまり親の扶養から外れて自分で社会保険に入った上でバイト代で黒字を出すには、150万以上稼ぐつもりが無いと損をする(=親の扶養に入って129万稼いだ方がマシ)という事は覚えておきましょう。

国民健康保険に加入

自分で住民票のある市区町村の役所に行って、国民健康保険への加入手続きが必要です。国民健康保険に加入するメリットは、バイト先で入る社会保険とは違って健康保険だけの加入で済む事、つまり年金への加入がいらない事です。年金については20歳以上の場合は、親が学生納付特例の手続きをしてくれて猶予されていれば、国民年金を支払う必要はありません。(20歳未満の未成年の場合は、そもそも年金を支払う必要はありません)

学生が国民健康保険に入る場合は、バイト先の社会保険と違って年金を支払わなくていいので、支払う金額もかなり安く済みます。国民健康保険で支払う金額は住んでいる地域で変わりますが、130万前後の年収だと大体年間8万円くらいになります。バイト先の社会保険に入った時に取られる18万円と比べると2倍くらい変わりますので、130万の壁を突破してしまった時に、自分で保険に入る場合は国民健康保険の方に入る方をおススメします。

130万の壁を突破するのがバレるタイミング

130万の壁の落とし穴の一つがこれです。社会保険は税金のように1年計算ではなく、「1年間の収入見込みが130万以内かどうか」の時点で親の扶養から外れるフラグが立ちます。言い換えると、130万を12ヶ月で割った数字、毎月108,330円稼げるようになった時点でフラグが立ちます。

ただ、あくまでフラグが立つだけで、保険の扶養から外される親の勤め先の健康保険組合の規定によってまちまちです。ちなみに私の友人で130万突破した学生は、108,330円を4ヶ月連続で突破した後、親から「会社の健康組合から扶養外すように言われたんだけど」と言われてバレたそうです。108,330円を超えそうな月がある場合はその時点で、親の勤め先の健康組合の規定を聞いて事情を話しておく事をおススメします。

まとめ

  • 130万の壁とは「親の保険から外れること」である
  • 130万の壁を突破してしまった場合は、バイト先の社会保険か自分で国民健康保険に入る必要がある
  • バイト先で社会保険に入る場合は、年収150万以上稼がないと赤字(129万に抑えて親の扶養に入ったままの方がマシ)
  • 国民健康保険の方がバイト先の社会保険より安い(半額以下)
  • 130万の壁は108,330円/月を突破した時点でフラグが立つ
  • バイト代が108,330円/月を突破した月があったら先に親に説明する(健康組合の規定を確認してもらう)

結論、130万の壁を越えると、税金が追加される事に加えて、保険上の手続きが発生します。手続きが面倒くさい&保険代がかかる&親に更に迷惑がかかります。